現実なんて大嫌い。





あたりまえの日々だって過去になれば大切なものになることは必然

でもそれに気づかない
幼い15才、春。





「美雨、何?ぼーっとして。考え事?」

私は今、妙な思いに浸っていた。

今日は中学の卒業式


何故か私だけみんなと違った。

抱き合って泣くクラスメイトを冷めた目で見ている自分がいる。



正直、どうでも良かった。




中学がつまらなかった
という訳ではない

部活では良い成績を残すことができたし、勉強も学年でトップだった。

もちろん友達だっていたわけで。


でも何故か昔みたいに
素直に感情表現するのが嫌だった絶対本心は見せたくない。

素直な人間を見ると苛立ちを覚える、そんな自分がいた。







私はまだ未来に希望など見出だすことができないくせ人には嫌われたくない



偽善者だったのだろうか。