……ゆか…ゆか……
ん…春人……?
夢だよね……?
夢にまで見るなんてね……
……ゆか……由香…
「ん……ケホッ……」
ゆっくりと目を開ける。
春人、夢であたしのこと呼んでたな……
「由香…?」
え?
なんで……
なんで春人が……
「由香、具合悪いだろ。
凄い熱だ」
そう言って、額に手を当ててこようとする。
「いやっ!」
思わずその手を払いのけてしまった。
「……由香…?」
やばい、絶対変に思われた。
でも今はそれより…
「全然大丈夫!
ちょっと暑かっただけ、熱なんてないよ!
今日はご飯ごめんなさい。
ほら、春人も疲れたでしょ?
早く寝なきゃ…」
「由香……何で嘘つく?
俺が気づかないとでも思ったの?」
止めてよ……
そんな傷付いたみたいな顔しないで…
「ほんとだよ…!
熱なんてな「じゃあこれはなんだよ」
あ………
「具合悪くもないやつが、何で体温計なんて使うんだ?
それに息も荒いし、咳もしてる。
何で嘘なんてつくんだよ……」

