あたしだけのお医者さん




胸に押し当てていた顔をあげると、優しく微笑む春人と目が合った。




何か言わなきゃ……

えっと………



「えっと、


これから、よろしくお願いします。


色々迷惑とかかけるかもしれないけど、でも……


なるべく春人の支えになれるようにがんばるから!」


春人はあたしがいきなりこんなこと言ったことに驚いてるみたい。

目を丸くしてる。



えっと………


なんか沈黙とか気まずい……



「きゃっ」




あたしはまた春人に抱きしめられた。




「由香……


ありがとう。



俺の方こそ、
由香を色々不安にさせたりするかもしれない。


忙しくてなかなか一緒にいられないかもしれない。


でも…それでも、


俺はいつも由香だけを思ってるから。


由香だけ見てるから。


どんなことがあっても、傍にいるって誓うから。



由香は、安心して俺だけ見てればいい」






「春人……」






あたしは嬉しくて、ぎゅっと春人の背中に手を回した。




それに応えるように、春人もぎゅっと抱きしめ返してくれた。





お互いそれ以上何も言わなかったけど、



見えない何かで、深く繋がったような気がした。