「心配だから、一応胸の音聴かせて。」
そう言って、春人はあたしのパジャマのボタンに手を伸ばす。
あたしはパジャマをぎゅっと握って、
「あっ、あたしもう大丈夫!!
もう熱もないし、胸だって苦しくないし、喉も痛くないし、咳だって…ケホッ………で、でないよ!!」
だってだって恥ずかしいんだもん!
いくらお医者さんだって言っても、春人は春人だもん!!
真っ赤になってるあたしを見て、春人は大きなため息をついた。
「咳だってでないし、なんて言ってるそばから咳されても、説得力ねーぞ」
しかもな、って春人は続ける。

