あたしだけのお医者さん





「実は、な。」



意味あり気なその言葉にまたしても顔を上げる。





春人はあたしの目をまっすぐに見て、







「もう由香の両親に言っちまった。


俺と由香が付き合ってる、本気だって言ったら、あっさりOKしてくれたよ」





ええーーー!




驚きを隠せないあたしの顔を見てクスって笑った春人は、あたしに向かって、決定だな、って言った。




「急だけど、きょうの午後から退院の予定だから、それまでゆっくりしてろよ。
もうすぐお母さんもくるはずだから」



額にキスをしたあと、
「またあとでな」
耳元でそう囁いて病室をでて行った。