あたしだけのお医者さん









戻ってきた春人は、そのあと氷枕を替えてくれた。








「ねぇ、春人…」








あたしの問い掛けに短く、ん?とだけ返してくる。









「えっとね…

大学のこと、相談したくって」








「そうだな…


由香ももう、高3だしな。

どこ行きたいとかは、決まった?」









「それが、大学のことってよく分からなくって…


看護師自体も、周りに向いてないって言われちゃうし、、、」









勉強が特別できる訳じゃないし、不安ばっかりだよ…










「由香」









ビクッ






春人が急に低い声であたしの名を呼ぶから、思わずびくついてしまう。








でもその声には、怖さとかはなくて…








ひどく、優しさを含んでる様な気がした。