あたしだけのお医者さん








「はい、終わり」






そんなことを考えてるうちに診察は終わったらしく、ほっと一安心した。







「さっき診た時より良くなったけど、もう一息だな」





あたしの頭を撫でながらそう言ってくる。

でも……









「さっきって……


点滴しただけじゃ、なかったんだ…」







恥ずかしくて死にそうだよ……







「当たり前だろ。

由香になんかあったら、俺もう生きていけないし。」








「もうっ!

春人ってば大袈裟だよ!」





「ははっ!

でも本心だしな。


はい次、あーんして?」






「え?

なっなんで?」






咳はでるけど、喉痛いのは隠してた。






だってあーんするの恥ずかしいんだもん!







「喉痛いんでしょ?
黙っててもわかるの。



はい、あーんして?」







春人の顔が目の前にある。



ホントに恥ずかしいってば!





「大丈夫だから。

診るだけ、ね?」







その言葉に頷き、ゆっくり口を開けた。