あたしだけのお医者さん






ん…




「気がついた?」



「春人…」






あたし寝ちゃってたんだ。





違和感がして左腕を見ると、点滴がしてあった。









きっと寝てる間に治療してくれたんだ。








「点滴…ありがと…ケホッ…ケホゴホッ……」






なんか咳、酷くなってる気がする…







「苦しそうだな。

ちょっと胸の音聴かせてな?」







そう言ってあたしのパジャマのボタンを外す。








ベッドサイドに置いてあった聴診器を耳につけて、先っぽを手で包んで温めてる。







びっくりしないようにしてくれてるんだ…








改めてちゃんとお医者さんなんだなって思った。








恥ずかしさか風邪のせいか一気に体温が上昇したのが分かった。







春人はあたしが赤くなったのに気づいて、






「大丈夫。

診察するだけだから安心して?」





って笑顔で言った。






も~!

ただでさえカッコイイんだからそんな爽やかな笑顔しないでよ!


ますます直視出来なくなるよ……