「ちょっと春人!
ちょっと…待って…!」
そんなあたしの抵抗も虚しく、あっさりボタンが外される。
まあ第2ぼたんまでだったから、ちょっと安心したけど。
春人はあたしの脇に体温計を挟むと、鳴るまであたしの肩を抱いて待った。
絶対あたしが、逃げないようにしてる………
てかどうしよう…!
絶対熱あるもん!
ばれたら絶対怒られる…
どうしよう…
どうし…
ピピピピッ…ピピピピッ
…
な…鳴っちゃった…
その瞬間、春人によって肩でポンポンとテンポよく刻まれていたリズムが止み、あたしの脇から体温計を取り上げた。
「………」
「……?」
体温計を見た春人は、急に黙り込んでしまった。

