「えっと………
7度5分くらいだったかな……?」
これくらいの体温なら、きっと薬だけで済むはず。
「はぁーーー」
そんなことを思っていると、大きなため息が聞こえた。
なんか、嫌な予感がする…………。
「…由香」
ビクッ
「なっ…何?」
ニヤリと笑う春人を見て、しまったと思った。
「嘘つくなって言ったのに。
そんなに俺に熱測って欲しいか。
そーかそーか。
なら今から一緒に熱測ろうな♪」
え?
ちょっと!
この人何言ってんの!
身の危険を感じたあたしは、パジャマの衿元を握り締める。
「あたし、嘘なんてついてな「さ、手退けような♪」
あたしの話聞いてないし!
しかも、あたしの腕を掴んで、パジャマから離そうとしてくる。

