落ち着いた彼女は改まってベリルを見つめる。

「フフ、本当にあなたは年を取らないのね……あの時のまま」

 それにベリルは小さく笑って、彼女が歩みを進めると彼女の肩に腕を回した。

 クスッと笑う彼女に肩をすくめる。

 彼らしくない行動だと思わず笑みをこぼし一瞥して発する。

「でも嬉しい。私へのご褒美なのかしら」

『頑張って来たのだな』

 ささやくように応えられ目を閉じる。

 その言葉だけで十分だった。

 全てが報われた──満ち足りた気分に深呼吸する。

 再び目を開き彼の前に立ち見上げた。