そして25歳になったエリザベスは父の会社の重役の1人として、その能力を発揮していた。

 そんな彼女の元に1人の男が訪れた。

 部屋に通すと男は笑顔で名刺を差し出す。

「ヘンリーさん?」

「はい」

 気さくな笑顔、歳の頃は30ほどか。

 彼女はソファに腰掛けながら彼にも促す。

「私に何のご用ですの?」

「実はですね」

 彼は向かいのソファに腰を落とす。

 そして、もったいぶったようにひと呼吸おくと彼女の目をじっと見つめた。

「ベリルに、会いたくありませんか?」

「!?」

 一瞬、目の前が真っ白になった。