背中までの金髪と大きく魅力的な青い瞳──15歳だったエリザベスは20歳を迎えていた。

 彼女は父の会社を継ぐため熱心に勉強し、その存在感を際立たせていた。今や求愛する男性が後を絶たない程だ。

 しかし彼女はいつも……

「ごめんなさい。私には大事な約束があるの」

 もちろん、その言葉の前には何人かと付き合った事はある。

 けれど、彼女の心の中にあるのはいつも同じ男性……決して忘れられないエメラルドの瞳。

 報われない愛を貫く気がある訳じゃない。

 でも、彼のことを思い出すたびに胸が痛む。

 初めての恋。

 初めての失恋。


『彼に褒められたい』

 ただそれだけのために──