「……」

 ベリルの言う通りなら俺には何も言えない……通信の切れた電話を見つめた。

 言う資格などありはしない。

 じゃあ、彼女の目標とはなんなんだ? ベリルに会えると思う彼女が納得のいく目標とは? 本人さえそれは解らないのかもしれない。


 ただひたすらに、ひたすらに……


 ベスの顔は活き活きとして誰の目から見ても輝いていた。

 今の彼女の地位は『ベリル』という存在のうえに成り立っている。

 それが痛いほど解り宙を見つめて口をつぐんだ。