止まらない時間

「!」

 デスクに腰掛け、DVDを出そうとしたときにふともう1つファイルがある事に気がつく。

「? 何かしら」

 首をかしげてダブルクリックした。

<25か>

「!」

 画像は無いがスピーカーから響く声は紛れもなく……

<あれから10年になるのか。時が経つのは早いものだ>

「……」

 ああ、彼の声だわ。落ち着いた、よく通る声……目を閉じてその姿を強く思い浮かべた。

<私には何も出来ないがお前はお前の進む道を外れぬように>

『それが、私の願いだ』

「──っ」

 ベリル、ああ、ベリル……その言葉に想いが込み上がる。

 何度もそれを再生した。