「止めて!」

 少女は公園の前で帰路の途中に車を止める。

「あなたはきっと全ての人を愛しているんだわ。だから、1人に絞るなんて出来ないのよ」

 当惑するベリルの顔を一瞥し、空を仰ぐ。

「ね、私が大人になったら一度だけ会ってくれる? そのときベリルが褒められるようなレディになってたら……」

 言葉を詰まらせた彼女をベリルは優しく抱きしめた。