「ベリル……」

 ゆっくりデスクに歩み寄りDVDをノートパソコンに滑り込ませた。

 そこに映し出されたのは紛れもなくベリルの姿だ。

<C班! 何をしている、動きが甘い>

 少しも変わらない彼の姿に、ベスはディスプレイに見入った。

 どこの戦場かは解らないが作戦の指揮をしているようだった。

「ふふ……服がボロボロになってる」

 頭から血が流れてるじゃない、また無茶したのかしら。

 きっと大変な作戦なのね……出会ったときとなに一つ変わっていないその姿に瞳からひと粒の涙がこぼれる。

「……っベリル」

 それが引鉄(ひきがね)のように止めどなく涙が溢れ出した。