やっと放課後になり、昨日行った中庭の向かった。
いるかどうかわからないけど、行かないよりはましだった。
遠目に細身の男子が目に入った。
たぶん昨日の人だ。
「ねぇ。」
声をかけると目の前の人は振り返った。
やっぱり昨日の彼だった。
「昨日のコーヒー牛乳のお金。返す。」
そう言ってお金を突き付けた。
「いいのに。別に。」
「そんなわけにいかない。知らない奴からタダで貰うもの程怖いものはない。」
「律儀なんだね。」
人の話を聞いていないのかなんなのか。
彼はあの時いきなりこう言った。