“うわ〜いい匂い。なんだろう……ハヤシ…ライス?”

 ばっと飛び起きると、そこは知らない部屋だった。綺麗に片付けられた感じの、白と黒で統一されたシックな部屋だった。

 “わたし…こんなところで何してんの?”

 急いでベットからおりようとした。

 あいたたた……!なんか身体中がいたい。

 「起きた?」

 背後から知らない男のひとの声がした。わたしは振り返って、枕を投げた。

 「近寄らないで!」

 枕は、男の横をすり抜けていった。男は、黒の長髪のパーマで、ピンクのシャツを着ていた。悪いひとには見えなかった。……が、状況が状況なので、安心はできない。

 男は、ふっと優しく笑い、その場に座り込んだ。

 「君、名前はなんていうの?」