…─チュ…ッ… 最後に小さなリップ音を響かせて、離れていった日向の唇。 日向はくるっと後ろを向いて、深く頭を下げた。 「…すみませんでした…、」 あっ… お母さんいたんだった… お母さんは何も言わず、微笑んで車に乗り込んだ。 日向はもう一度、私と向かい合った。 「…日向……」 日向はニコッと笑うと、優しくこう言った。 「…いってらっしゃい」