右手の薬指には、シルバーの指輪が光っている。 「…千幸、プロポーズの返事は?」 そう言って日向はまた、ニッと笑い、私の右手を優しく握った。 …日向…… これは夢…? 「千幸─?」 ぼーっとしていると、日向が名前を呼んだ。 「日向…」 「…ん?」 「私…夢見てるのかな…?」 私がそう言うと、日向はぎゅっと握った手に少し力をこめた。 「夢なんかじゃないよ、千幸」 日向はキスできるほど、顔を近づけて言った。 「…愛してる」