いばら姫














「 ――― ここで良いよ アズ 」


「  うん  」



「 真木も、色々… ごめんな 」


「 何度も言われると だりいぞ 」


「 ジョンさんも…
本当にありがとうございました 」


「 NO Problem!

それよりも、オカダ 知ってる?!
クリスマスの日に、ボクら
教会で、ゴスペル歌うヨ!!

アズルが真ん中で、ニホンの音楽番組
生放送、オンエアされるんだって!! 」


「 マジか?! 」


「 うん!!
昨日、音源渡してもらって
今日から練習するの! 」


「 …というか
空港まで送ってくれるのは嬉しいけど

…… 貴方の顔を見ると
またカーチェイスの予感が… 」



ホテルの前

マンハッタンの冬らしい、薄灰色の晴れ


扉の開いた車の前で
帰国する俺と皆は、挨拶を交わした

笑う偽サモハンは

運転席の窓から、
中を覗き込むアズと一緒に
しきりに腕時計を気にしている


「 オカダサン! 乗って!
今日は安全運転で行くよ!!
なるべくね! 」


「 ―― なるべくって… 」



「 淳!! 乗って乗って!!
間に合わなくなっちゃう! 」



「 … 飛行機乗るまで、まだ余裕あるし


アズ…
もう少し、哀しそうにするとかよ…
青山の時と だいぶ違うじゃねえか 」


「 だって 繋がってるじゃない

―― 阿尾森と ここ
同じ緯度なんだよ!!

だから、リンゴ繋がり! 」



「 … 知ってるよ
小さい自由の女神、立ってる場所あるし

… でも今俺、東京に住んでるし… 」



「 あああああ?! 」


「  … アホだ やっぱり  」



皆 笑い、
俺はアズとジョンさんにハグされて
真木は大袈裟に、体を引いて拒否った




「 ―― また 」



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