いばら姫






アズは
下着の山を わし掴みにして
真木から袋を受け取り、部屋に走る

何個かボロボロ落として
真木は片手で拾い、部屋に入ると
中からアズの
『 クマに被せるなー! 』と言う叫び声と
枕やクッションが飛んで来た


真木はドアを閉め、腕のカフスを外し
そのまま無視でソファに座る

膝の上で手を組み、俺の顔を見て笑った





「 …真木は、よく、平気だな 」


「 いや、後で百倍にして返す 」


「 そうじゃなくて、



―… なあ
少し聞いたけど

アズ、
花嫁修業するとか言ってたけど本当か?

相手なんか、
まだ決まってないだろ? 」



「 岡田わりい

オマエ、簿記の資格あるんだよな
ちょい、これ手伝って 」


バサリと鞄から取り出された書類の山



「 ―― 今日中に送りたい

もしこれでOK出れば、
俺もオマエと一緒に、一度日本戻るわ 」



「 ……… 」


数字が羅列された紙の束を眺め、
一枚づつめくる







「 …おい

 ――― 真木 これ… 」




ソファに座ったまま、脚を組み
背もたれに両手を拡げ、形の良い口元の
白い歯を少し見せて笑う





「 …どこの馬の骨ともわからねえ奴に

アズルは渡さねえって言ったろ?


――― 今年のクリスマスには
間に合わないかもしれないけど

オレがアズルにしてやれる
最大級のプレゼントだ 」