―― 理性が
本気でぶっ飛びそうな感覚を
生まれて初めて味わって
慌てて起き上がり、
頭を振って、ベットの端に座った
部屋のドアを開け、
リビングのテーブルにあった灰皿を奪い
何回も着火に失敗しながら
タバコに火を着ける
…… 数学の公式をひたすら頭に浮かべ
再度、アズの部屋に戻り
ドアは開けたまま、それを背にして立った
「 … 後よ 」
「 はい 」
「 … 今回、庇って貰った事
正直、
冷たいかもしれないけど
俺は…無理強いした事なんか無いし
早河さんは仕事でお前に移った
文句があるなら
口で言ってくればいいのに
…逆恨みに温情なんて持たない
―― おまえにも
礼なんか、言わなくていいんだよな…? 」
「 うん!!
…だって… だってね…?
刺されると、
…痛いんだよ 」
「 … うん
―― あれか? " 光の壁 "だな 」
「 うん!!! 」
「 …でももう、二度とやるな 」
「 ――― 淳 」
「 アズは小さい頃
親から本気の愛情、貰った事なかったから
… 自分の命の大切さとか
あまり、判らないのかもしれないけど
ゲームみたいにキャラが消えても
作り直しなんて… 出来ないんだ… 」


