いばら姫




「 ないな

そもそもそういう女は、最初から判るし

…面倒だから、声かけないよ 」


「 なんか… 」


「  ん? 」


「 冷静なんだね 」



「 当たり前

攻略するのに熱くなってどうすんのよ

…… だから
迷ってるうちは、男と一緒に
二人きりの部屋になんか入らない事

どんなに良い人そうに見えてもね 」



「 …クウヤもそれ、言ってたよ

でも、それだと変だよ
私、クウヤとこっち来てから
ずっと一緒の部屋にいるけど
何にもないよ?

ユカちゃんだってクウヤやリュウジに
送って貰ったりしてる 」




「 意味が全然違う


こういう引き合いに
お前の友達出して来るのは良くないけど

… 水谷が
あいつらがユカちゃんに
手を出さなかったのは
一切興味がないから

―― 女じゃないからだよ 」



「 女じゃないって… 」



「 だから怒るな


…真木や青山に関しては
奴らが大人なのもあるだろ

可愛いは可愛いんだよ
―― でも、妹とおんなじ


アズ、
お前に手を出さないのとは
意味が違うんだ 」



「 ……… 」




「 わかんねえか?



… 好き過ぎて

――― 大切過ぎて

失うのが怖くて、手が出せない


…… こうやって
手を繋いでても…泣きそうになる


自分がこういうキモチ持つなんて
夢にも思わなかったけど ――



… お前が言ってる眼の正体は、これ 」



「 … でも 」



「 男のが、女より繊細なんだぞ?

―― なんかさ 」