水谷を捜して、二人で歩いた
眩しい光りが照り返す、
広大な川沿いの公園
果てまで続きそうな、長い手摺り際
フィッシングベストを着て
釣竿をゆっくりと投げる
おじさん達の足元には
折りたたみ椅子と、クーラーボックス
「 居ないな… 」
「 うん…
仕事以外では、いつもああなんだよ 」
「 アズ、一回 部屋に戻ろう
…お父さんと出かけるって言うから
あんなにあっさり許したんだろうし
水谷も頭いいっていうか… 」
アズは、画集の入った手提げ袋を握り
目深に被ったニット帽を抑え
そして
あの夏の様な作り笑顔では無く
微笑んで、俺を見た
「 淳、遊ぼう?
私、なんか明日から花嫁修業らしくて
そしたらこんな風に、
自由に歩けなくなるから 」
「 ―― アズ 」
「 はい? 」
「 いつ、キスされたの? 」
「 ―― スノーマン作って
ホテルに戻ってから
淳とトオヤと、クウヤが下に
降りていってる間 」
…俺の性格だし
聞かれるのは判っていた風で
事も無く、アズは答えた
だけど
心が痛んだのは、それよりも
「 ―… やっぱり
あいつ、気が付いてたのか 」
「 うん 気が付くのも判ってた
でもリュウジは
私が決めた事には、手は出さないから
それに…
お腹の事の負い目があるから
リュウジは止める事が出来ない 」
「 アズ、お前… 」


