いばら姫








「 ――― これは



… 阿尾森の

ウチの近所の雑貨屋

…… アズにかけた、公衆電話のある店

小さい、工場で作ってる奴だから… 」


「おお! 教えてくれてありがとう! 」






「 ―― お前 やっぱズルイ… 」


「 え? 」



くぐもった小声で呟いたそれは
嬉しそうに笑うアズには届かなくて

胸に込み上げて来る気持ちを抑えながら
テーブルの上のタバコに手を伸ばした




「 …… 何よ

そんなのずっと持って無くても

… 使い勝手良かったのか 」



「 リンゴの、
すっごい良い匂いするでしょ?!
これ!! 」


真木まで
「 だよな! オレ、コイツ最近
林檎ばっか食ってるのかと思って聞いたら
リップだって言うからさ 」



「 …リンゴとメープルシロップ
入ってるとか何とか
特許出願中とか

…パッケージに書いてあったかな 」



" なるほどー!! "と
真木とアズは顔を見合わせ
" メープルって、ホットケーキに
かける奴だよね?! "とか
笑い合いながら話している



「 …… 年始

じっちゃに会いに、一度行くから
その時、送ってやる 」


「 え いいの?! 」



「 … 何なら

―― 真木も池上も

…時間取れるなら、灰谷も
   
     青山も


全員一緒に 家、来い

煎餅汁とか、いちご煮、
ちゃんとした本場物、食わせてやる… 」