そしてソファに引き倒し
アズは『ぎゃっ』と声をあげた
「 ボウズ 尻上げろ
クッションの下に、湿布ある 」
「 取り替える? 」
「 うあオマエ手冷てえっつの
いっ…!
一気に剥がしたら、後でいじめるからな 」
「 いいよーだ いつもの事じゃん 」
真木はアズの腿を、腹の下に置き
への字の形で
背中の湿布を取り替えられている
「 …… 怪我…? あの時か…? 」
「 倉庫ん時じゃねえよ
…カーチェイスした時な
まあ… 話戻すけど
―― 歌も唄い出して、
オレらは大喜びしたんだけど
…その時も気絶して、
無理に思い出させるとヤバイって
かなり怒られてさ
それから暫くは、タイミング的に
オレも池上も忙しくて ―――
…自宅療養に切り替わった頃か
オマエらが会ったの 」
「 ――― うん
リハビリしながら、歌の練習始めて…
それとね?!
淳の事、話してからなんだ
お父さんが怒ったの
それからだよ
お父さんがお父さんっぽくなったの」
「……俺の事、
今でもなんか言ってるか?」
「前は、
ネットで知り合った奴なんか〜だったけど
最近は
" 情熱は認めるけど世間を知らない
自分で身を立てる迄は
距離置きなさい "って言われてた…」
「……他の奴の事は、
なんて言ってるのよ」
「 えーと…カイヘーは…
" そのまま突っ走れ そして伝説へ " 」
「 ―― 青山は? 」
「 リュウジは…
" 出来過ぎで気に食わない "
って言ってて…」
「 結局全員
気に食わないんじゃねえかよ! 」と
真木と俺は、同時に吹き出した
なのにアズは突然
「…クウヤは…」と言いかけた途端
瞳にたくさんの涙を溜めて、
泣いてしまった
「 …だーっ
やっぱり風邪菌に任せて
昔話なんかするんじゃなかった
あんな話忘れろ 」
「…あんな話?」
「言わね
ケータイ小説にされちゃうのヤダモン」
「…………」


