灰色の壁に
大きな換気扇のプロペラ
屋根付きのダクトからは白い蒸気
めくれ上がったシャッターを潜り
中に入ると
縫製された後の
デニムの余り布が、床に散らばり
布を作る為の、
幾つもの巨大な はた織り機械が
吹き抜け屋根近くから糸を延ばし
下糸と交差するシルエットを浮かべる
高い天井を走る、四角いダクトの出口は
外で見た物とは 別 ――
横長の硝子が割れた、
隣り合わせの板張りの部屋には
ミシンが沢山並んでいたらしく
大型の机には、据え付けていた跡
あの外に見えたダクト場所は
位置的に
此処に無いとおかしいのにそれがなくて
試しにドンドン叩いても
壁の何処からも、同じ音
端まで歩いて、
もう一度外に出ようと慌てた時
――― 足元の音が変わった
四つん這いになって手で擦ると
「 ……一カ所だけ、浮いてる 」
細いはめ込み板を剥がすと鈍い音がして
一メートル四方の床が
地下に続く、扉になっている事が判った


