「 … あいつが
自分で消えるとか死ぬなんて、俺は 」
「 ―― なあ
何処まであの子を、女神扱いするわけ?
どういう根拠の期待値?
ナウシカだって、
ユパ様の前では気絶するんだぜ?
―― 王子様の耳には
ダイレクトに言わないと伝わらないか?
…実の母親に
浴槽に浸けられ、包丁で頭を刺され
冬の表に何時間も放置
揚げ句の果てには棄てられて
…そんな子供に、
独りで強く堪えろって?
―― … 確かにルウは
自傷したり、
周りに訴えるタイプじゃ無いさ
明るくて、面白くて… 」
襟を掴み 怒鳴り付けた
「 何言ってんだよ!!
お前、一緒に住んでた時
その子供を働かせてたんだろう?! 」
「 ―― 働かせてたよ…?
家に来てからも、
フラッと突然居なくなるから
留守にしてる間も心配で
―― 元々、ルウに会うまでのバンドは
ファッションの一つとしてしか
意味が無かったし
暴れて叫ぶだけの場所だった
――― だけど、考えたんだ
" 俺には夢がある バンドで金が要る "
そう言ったらあいつは、
がむしゃらになって
…… その間は
死なないんじゃないかって 」
――― ぽつぽつと、
ダウンを弾く 雨の音
「 ――― 実際ルウはがむしゃらになった
でもそれは今と そう変わらないだろう?
奴らとの約束、会社の為
ルウが自分の為に歌を唄ったのは
あの野音の、一度きりだ 」
「 ――じゃあ、何の為にアズは
こんな外国まで来たんだよ!!
歌う為だろ?!
それに… そこ迄アズの事判ってるなら
こんなやり方じゃなくて何で!! 」
「 出来るなら
とっくにやってる……!!!
ルウが一番欲しい物を
俺はあいつに作ってやれないんだから
仕方ないだろう?!
――― 退け!! 重いんだよ!! 」


