いばら姫









―― 黙ったままの俺に
水谷は不服そうに首を傾げる




「 …もしかして『Maxim』は
"検索で、 Az の居場所を捜してる"?


それとも
"変身ポーズの間合いを取り"?

… 俺はテレビの怪人みたいに
変身が終わる迄律儀に
待っててなんかあげないよ?


―― それとも
"仲間が揃うまでの、時間稼ぎ"か?



―― 主人公が動かないで
モノローグばっかりのお話なんて
俺、要らないんだけど


叫びながら殴る位、して来ようぜ?


大体こういうシーンで
殴るか、たまり兼ねて殺すか、
泣いて説教するかしか
"普通の人間"が行動可能な
クライマックスは無いんだからさ




…… ああ

それとも俺が怖くて…
足、すくんじゃったとか?


―― ヘタレな End だね


帰っていいよ 君 」




水谷は
俺の足元まで来てしゃがみ込むと
下から見上げながら、
哀れむ様な表情で笑う








「 …… あんたの事なんか、
ちっとも怖く無いすけ 」



俺がそう言うと
水谷はクスクス笑いながら
『 おお 』と意外そうに顔を見上げる


「 それからそれから? 」



「 … 青山の方が怖い 」


「 あー… 岡田君、足折られたんだっけ

でもあんな格闘馬鹿は 」



「 違う そういう意味じゃない 」


「 え? じゃあ なになに? 」









「 ――― 青山は

アズが唯一、愛してる男だから 」