「 … 怒らないんだな 岡田
―― 車の中でベースの受け渡しした時
青山に同じ話をしたら、
…大変な目に合いそうになったよ 」
「 ―― まだ、
これは例え話なだけだろ 」
「 そう
これはまだ、 " お話 "なのにねえ 」
「 ―― それに青山は、
あいつは…
… アズが辛い思いをした場に
実際居たから……
… 俺は、アズの事件の事だって
本人が
必死に話してくれているっていうのに
嘘だと思い、最初は信じなかった
それでも結局、本当に信じたのは
アズの腹の疵を、
目の前で見た時かもしれない酷い俺に 」
―― そんなリアリティの無い話を
他人からされたって
どうしていいか判らないだけだ ――
「 あのさ… 岡田
物を作ろうって人間が
優し過ぎるのは、致命的なんだよ
自分の身には
絶対何も降り懸からないと思い込んでる
自らを善良な、
無害で可愛い子羊と思っている人達は
柵の中で退屈してるからね
失恋、孤独、凌辱、死 ――
…少しフィルターをかけて加工された
そんな残酷なお話が大好きだ
―― VOICEの歌でもあるじゃない
『 人の不幸は蜜の味、
大好き大好き♪ 』って奴 」
「 …別に、大好きな訳じゃない
―― こんな事があったんだって
それでも頑張ってるんだなって
感動したり、それに涙したりするのは
人間の感情として当たり前だろう?! 」
「 うん
だからこれから、そんな目に君を
―― 実際に合わせてあげる
その後も同じ台詞が言えたなら
…善良な子羊は凄いなあって
認めてあげるよ
言っとくけど
俺は口じゃ懐柔されないからね
お涙頂戴な説得されても
『私が悪うございました』なんて
この鍵を差し出して、
ルウの居場所を吐く事は無いから
―― さあ、 どうする?
… ヒーロー・岡田 ? 」


