―― 道を一本間違えたのか
絶対に、この時間なら煌々と、
デカイ看板が光っている筈なのに
何処を見ても、それが無い
そのうち、古着屋や雑貨屋が並ぶ
原宿の、裏通りに似た路地に入り込んで
――― 小さな花屋を見付けた
クリスマス時期らしく、店頭の棚には
真っ赤な葉を鉢の外まで開いた
ポインセチアと、濃い緑のヒイラギ達
"HandMade"と、白のペンキで書かれた
壁に架かった木板の周りには
枝を組んで作られている
味のある円形のリース
看板と同じ名前が印刷された
ビニール地のエプロンをしたお婆さんが
それを一つ取り、奥へと入った
店の奥の
円柱のプラスチックには
バラが沢山挿されていて
ボア付きの
ダウンベストを着た青年がそれを覗き込み
お婆さんが女性客の相手をしながら
赤いバラを手際よく、
透明のフィルムでラッピングしている
白いバラを指差す青年
――― 水谷タカオの話も
愛想良く、聞きながら ――


