いばら姫









「 ――― 高ーーーい!…… 」



『 …全長381m, 102階
現時点では、世界で一番高いビル』


長方形のジョイント式

その先から、
三段回に分けて伸びた様な白いビル

真下にいると、てっぺんが見えない――



銀行、オフィスビル
それらの犇めく五番街通りに在って
仕事の為に
出入りしているスーツ姿とは別に

明らかに観光客、
どこか旅行会社の旗を持った集団が
歓声を挙げながら
入口の中へと足音をたてて行く



『 …入るよ 』


「え、…入るって…?」


『…ここもオフィスビルではあるけど
チケットを買えば誰でも入れる
…キングコングだって登った 』

「…それとこれとは違うじゃん!

でも…
見たことあるよな気がしてたのは
そのせいかあ!
…って、それ、
私もキングコング扱いって事?!」




縦長のガラスの入口へと入り
アールデコ調のロビー、
真正面の壁には

銅で出来たデカイ記念プレートが
貼付けられていて

版画か何かで、
天使や遣いが居る筈の場所には
このビルの姿があって
その後ろからは、
後光が斜線で表現されている


チケット売り場らしき受け付けには
お姉さんでは無く、制服を着た男性
その横にはガードマン

観光客用のポールが立てられていて
それに従い、道を進んだ



『…エレベーターに乗って屋上に行く
86階にも展望室がある 』