真木はユカちゃんの方には向かず
PCから吐き出された紙を
その手に渡した
「 何もねえよ
今、航空券取ったから
とっとと灰谷と一緒に、日本へ帰れ
帰りの事なんて考えずに来たんだろ 」
…… ユカちゃんは図星を指された様で
紙を見詰めながら、顔を真っ赤にする
「 "向こうに着いちゃえば
きっと何とかなる
『友達のアズさん』は、
帰るの困ってるって言えば
絶対何とかしてくれる "
―― それは友達じゃねえぞ
尻拭いさせてるだけだ
なあ、ユカ
ちゃんと泣かないで聞け
…灰谷に会いたかった気持ちを
悪いとは言わない
だけど
ただアテにする事と、
友達同士だから助け合うのとは
全く別だからな?
それともう一個な
―― シノに嘘をつかせて
もし万が一、
オマエが来る途中、帰る途中
トラブルがあったとしたら
どういう状況になるかは想像出来るな?」
ユカちゃんは一切
そんな事は考えていなかったのだろう
小さく"…ごめんなさい"と呟いて
茫然となって、何か考えている
『 …平気
俺が一緒に乗るんだから 』
灰谷が壁際に座りながら、
そんな台詞でフォローし
真木は苦笑しながらPCに向かう
『…じゃあ、送って来るよ 』
「 あ、
今車呼ぶからそれからにしろ 」
『 … 了解 』
―― 灰谷と彼女は
二人一緒にソファに座って
… ユカちゃんもまだ目を擦っていたけど
灰谷の言葉に安心したのか、
「…あ〜あ
…アズさん
色々な所案内してくれるって
言ってたのになあ 」と
途端に彼女らしさを見せ始め
「まだそんな事言ってんのか」と
真木が呆れ声でデコピンをした
「だ… だって
昼もロビーでいっぱい話したんですよ!
… 私が、最近……
灰谷クン達と
ゲームで遊んでますかって聞いたら
『 たまに遊んでるよー』
あ!!
『良かったら バーの?クエ
進めようって伝えて』って… 」
―― 灰谷と顔を見合わせた


