いばら姫



"気取ったホテルじゃなくていい"と
取って貰った
駅近くのビジネスホテルへ
新原に案内される


新原は「うちに泊まりなよ」と
言ってくれていたのだが
さすがに悪いし
たった一日の事だ


副都心の光
低い、ビル風の音と、ぬるい風

――空気が悪い


飲むと言う話はお互い出なくて
新原は手を振り
「じゃ また明日 おやすみ」と
人波に消えて行った





フロントに入ると
節約された蛍光灯

初老の男性が
事務的にキーを渡して来る


人とすれ違う事も無く
部屋のドアを開ける

―― 室内は想像していたより綺麗で
クーラーの効きも良い

窓からは
山も森も見えなくて
代わりに、灰色のビル群


新宿西口


――― アズの育った街