いばら姫





「 …どんな風に? 」


真木はズボンのポケットに手を入れ
道の向こうの公園を眺めながら
とても、普通の声で呟く



「何処かで、怪我してるって…」


「 ケガ?!
今度はナニがあったって言うの?!」


「 ―― ジョン 灰谷とユカは? 」


「 二人は部屋にいて、オハナシしてるヨ」


「 ―― ユカに話を聞こう
アイツはフロントで
ボウズに会ってる ―― 」





フロントに真木が声をかけ
礼を言って戻って来て

エレベーターに乗る前に
部屋に入る迄付き添うホテルマンに
真木は再びチップを渡す



…… 手掛かり

水谷がそんな物を残すなんて
有り得ないと、冷静に思う





「―― 岡田
お前、ボウズに何か言ったか? 」


「… 何かって 」


「 ―― ボウズは
俺達と一緒に眠ってない

夜中に茶を飲んでから
オレ達が眠ってしまった後
…フロントで両替をして電話を掛けてる

――― それから青山が降りて来て
電話の前で、少し言い争いをした後
一緒に部屋に戻った 」


「… え …どういう事 」


「 何か察知したボウズが
多分、仕込んだのは茶だろうけど
全員を薬で眠らせようとした

―― 青山はそれに気付き
茶を飲む事はしなかった



…下で言い争いをしたその後、
何らかの方法で、
ボウズを眠らせるか、
動けない様にしたんだろうな

そして朝方に独りで、
楽器を持って出て行った


ボウズは暫くしてから部屋から出て来て

"酔ってるみたいだった"って言うから
オレ達に使う筈だった薬を
飲まされたんだろうけど
後を追う様に、そこの通りで車を拾った 」


「 ボク、ちょっと出て来るネ
サモハンに言って
二人を誰か乗せてないか聞いて貰うヨ! 」


「…宜しくお願いします 」