『…岡田君だって聞いただろ?
―― ルウと関わるとね
皆おかしくなるんだ
梅川さんなんかは、
『コンパスを狂わす人間』なんて
上手い表現してるみたいだけど 』
「 ―――お前がそうなる様に
仕組んだんだろうが!! 」
『… 初ルウと知り合ってから
夢中になる迄の事は関与してないだろ?
それは個人の勝手なんだし
―― 君だって
身を持って判ってる筈だよ
俺が最初に、
自分のバンドに連れて行った時もそう…
皆、音楽の事なんかすっかり忘れて
" どれだけルウと親しく出来るか "に
感情のベクトルが移行してしまった
家まで訪ねて行く奴も居たし
…それとなく、独り暮しは危ないから
引っ越すか何かしろって言ったんだけど
――" お母さんが帰って来るかもしれないから "って
… ルウ、人に助けてって言わないからさ
ちょっと周りを突いて
俺の所に来る状況にしただけ 』
「――…… お前 まさか 」
『 ん? 』
――― 水谷がやった一連
その話の中避ける様にして
誰の口からも
一度として出てこなかった" あの事 "
『 あ、そろそろ携帯の電池ヤバいから
途中で切れたらごめんね
それと
映像事務所への就職
――― 岡田君
夢への一歩、おめでとう 』
「 ……… な 」
『 … あれだけ虐めたのに
君が尻尾を巻いて
家に泣き帰らないって
かなり予想外だったよ
いきなりルウが
行方不明になったのは驚いたけど、
それでここまで捜しに来たのもね
―― 塔の上で眠ってる可哀相な女の子を
自分の手で救えるんじゃないかって
狭い世界で自惚れてる
…他の奴らと何等変わらない
『口だけ王子』だと思ってたからね 』
「―――…… 」
『―― そうだ
青山ね
早く見付けた方が良いと思うよ
少しケガしてたし
あまり―― 』


