いばら姫








――― 雪が降り出した




ヘッドライトを付け始めた車

辺りを見回す真木

俺は残った水谷の着信に折り返して
何度鳴らしても出ず
それでも切らずに鳴らし続ける





――― 五分以上してから
やっと水谷の声




『 ―ああ、ごめんね
地下鉄に乗ってたから…どうしたの? 』



「― お前…これ、立派な誘拐だぞ?! 」



『 うわあ…
何を言うのかと思ったら…

もっと岡田君は
賢いかと思ってたのに…

―― あのね?言っとくけど
俺はおかしいワケでも何でも無いよ?



――この全米デビューが済んだら
ルウは俺の所に戻って来るって
前から約束してたんだから 』






―――――

「――…… 嘘だ 」




『 …言ったじゃない

" 一緒になるんだ "って


――― それにルウはね
俺と一緒に居た方が良いんだよ…  』