いばら姫




『…意外だなあ

サカナを飛べないまま
砂浜で夢見たまま、
エンドロールにした君なのに… 』


「 …………… 」


『… 真っ青だよ?
寝てないみたいだから、
少し眠った方が良いんじゃない?

―― そんなキョロキョロしなくても
向かいの、違う違う 隣


…… あ、 判ったかな? 』




ホテルの隣
部屋の扉から入って、右に窓
そこからは、フロアと同じに
セントラルパークの森が見える

ベット脇、
扉から見て真正面の窓の左向こう


道路を隔てた、四角い窓で
黒い影が、小さく手を振る




『―― こっちも結構、
良いホテルでしょう?

何年か前に…
そっちは美術館並だからさ
修繕も兼ねて、
一時期お休みしてたらしいから


…ちょっと見えにくいからさ
隣のルウの部屋迄来てくれない?

―― 走らないでよ?
美術品壊したら大変だし

うんうん
……皆に気が付かれ無い様に
よろしくね 』