「 …もーっ!!びっくりしたよ!
ドッキリならドッキリって言って! 」
「 馬ー鹿
言ったらドッキリにならねえだろうが!
こっちのテレビ局に、依頼受けててさ
『ブラック・サプライズ』って
ローカルチャンネルのだけどな
前もオマエ、
日本の音楽番組でやられたろ?」
だだっ広いフロアは
ベルサイユ宮殿に迷い込んだみたいな
絢爛豪華な内装と調度品
そんな中で灰谷は
アズの背中に廻って抱き着き
ゲラゲラと笑ってるし
真木も
獅子の足を模した、金と臙脂
ベルベット張りの椅子に座って
"してやったり"
と言わんばかりに歯を見せ
半分ホッとし、
勢いで怒っているアズの顔を
指差して笑う
それでもその光景を
微笑んで見ていたジョンに気付くと
"ごめんなさい"を繰り返し
緊張したジョンの手を真木が引いて
お互いの自己紹介が終わると
―― アズは
青いドレスの裾を持って
俺の元に走って来た
「 淳もごめんね?!驚いたよね?! 」
「…… 綺麗だな 」
「 うん!!
ここ、おばあちゃんがこっちに来る時用に
借りてる部屋なの
凄いよねー! 」
「…部屋もだけど
お前に綺麗って言ったんだけどな 俺は
…… 何その
悪役が襲って来た時みたいな
腕のポーズとリアクションはよ 」
「…… 淳だな… キサマ! 」
「 他の誰に見えるんだよ…
――― 元気そうだな 」
アズは"エア変身ベルト"を解き
やっと歪ませていた眉の力を抜いて
不思議そうに質問して来る
「 お仕事で来たの?! それとも旅行? 」
「―― 徒歩観光なら、かなりしたけど 」
その言葉で、
ぐったりソファに体を横たえて居た青山が
顔に被せたハットの下で
苦笑したのが見えた


