「…でも…じゃあ何で、
梅川さんは…俺に、会いに…」
「―― オマエを心配してに決まってるだろ
ちゃんと姪は居るぞ
縁切りされてから、梅川さん自体も
つい最近まで居るの知らなかったし
天涯孤独とか言ってたけどな 」
『 …早河さんも
アズに近付きすぎたからね
―― 中年の純粋な
淡い恋心を、唆して利用した
あの人もそんな手管に落ちた、一人だよ
貴方の事を、ネットで近付いて来た
不審な奴って吹き込んでね 』
「 何で…お前らは
タカオさんが
そんな事…してるなんて判ったんだ…? 」
「…全米デビューが決まってから
ちょっと色々あってな
―― ギター選考に入った奴らに
おかしな事が起きすぎて
それで調べて行くうちに
… 梅川さんの、病院での話やら
ま、それで灰谷の
最初の説明に戻るって感じか?
――― 青山が聞いたら
何しでかすか判らないし…
池上、灰谷、俺、梅川さんで
地味に探ってた 」
『… 今、総出で水谷を探してるよ 』
「アズは無事なんだろ?!
それともタカオさんも
…何かグループで動いてるのか?!」
『…何も無いよ 奴は独り
だけど " 奴 " は
人の心の闇を利用して
あっという間に
他人とのネットワークを作る
―― 偽サモハンにしてもそうだ
この街は、
奴に取って最高に使い勝手が良い
明るい光の足元には
濃い影があって
…使える闇は、幾らでもある
―― ずっとそうやって
たった独りで、
アズの傍に
…此処までやって来た ――― 』


