いばら姫





「……タカオさん、ミチルと連絡は…」


「うん、今朝かな
こっちから電話しました
それで、
変なファックスが来てたのも聞いた


…ヤバイ事はしてないけど
派手に遊んでた時期もあるし
俺への嫌がらせじゃないかな

"ハルト"は
スカでビジュアルって
変なイメージ造ってるし
表に出ても、たいしたダメージ無いよ
むしろ

――あ、 何だか、
ミチルさん
自分にかもしれないって言ってたけど
…何かあったの? 」



「……それはミチル本人に

続けて下さい 」



「 ――― うん
それから、
ルウのシングル発売に伴って
こっちに来てたんですけど

ルウが行方不明になったって

… 梅川も学会に行ったとかで
日本に居ないから

―― おかしいって、警戒してたんだよ

この辺、隠れられる場所沢山あるし
中華街って事でさ
…梅川は
日本の横濱で動いてた時期もあるから

そしたら…」









――― 窓では硝子が

外で、風が鳴ってる


雑貨屋のお婆さんは
座っていた椅子から立ち上がって
後ろ手を組みながら、空を見た


再び座り込んだ小さな体の上で
張りぼての被り物が
満面の笑みでこっちを見ながら
ゆらゆらと風に揺れている



―――― カーテンを閉めた




「 マキさん

あの騒動は、ロケって事で広めてるヨ
元々この辺は、騒動も多いからネ

怪我人も居ない

――― ダイジョブよ」



「 ありがとう ジョン

……安心した

―――― で、水谷さ 」


「 ―― うん 」