いばら姫





真木は天井の
今は使われる事の無い扇風機を見つめる

両腕を椅子に大きく開き
両脚も広く拡げたままだ



「… 別に

城に着いて、
すぐに寝込んだのは本当だし

アズルのばあちゃんと
やっぱり年取った、
執事とコックしか居なくて


―― タイムスリップしたみたいな時間で


… 飯食って、寝て

一昨日少し 馬に乗ったか

それ位だな 」


「  本当かよ?! 」




「――… オレを
その辺のゲス共と一緒にするな 」



そう言って
真木はキツく、俺を睨んだ


黒いコートに手を突っ込み、
漆塗り風の、朱い椅子から立ち上がる

そして、青山と同じ様に二階へ上がり

窓の外
黒いコートを翻し
ゆっくり通りへと、歩いて行った