いばら姫










―― 再び、真木の携帯に着信



「 ボウズ、車来たってよ
"シルバー・ユニコーン"前に
来る様に言った 」


その言葉で
ジョンは体中でリズムを取りながら

「ソウと決まれば
ボク、お風呂に入って
オシャレして来るヨ!」と
土間に降りて、バスルームに向かう


青山はフェンスに
ダウンコートをそっくり
プレゼントしたままだったから

薄手の黒い、
長袖Tシャツを着ているだけだと言うのに

そのまま二階へと駆け登ると
窓の外からは、
すぐに鉄の階段を駆け降りる音がして
黒い影が走って行くのが見えた







――― 俺がジッと真木を見ていると

「…オマエも行かないのか? 」と
不思議そうな顔をされる

そして


「…ああ 」と
白い歯を見せ、俯き加減に笑いながら
俺の言わずして言いたかった事を
悟った様だった






「―― オレの携帯の充電は
切れて無かった

着信がやたらあって
… 何かあったのは感づいてたけど



―― 途中から自分で、電源落とした 」






「―… 二週間も 何してたんだ…… 」