小部屋にあるソファに座ったまま
窓から向かいの雑貨屋を眺めると
店頭には
チャイナドレスや扇
赤い房の着いたランプだとか
翡翠色の石で彫った
長い髭に杖を持った像だとか
あまりディスプレイを
考えていない感じで置かれている
前掛けをしたお婆さんが座りながら
篠籠みたいな手提げを
器用に膝の上で編んでいて―――
すぐ後ろで
複数の笑い声が聞こえて跳び起きた
テレビでは何故か時代劇がやっていて
吹き替えされた武士が英語を話してる
俺の周りには青山とジョンさんが座り
怒涛の勢いで、
真木が並べられた料理を口に運んでいた
「…痛ってーんだよ 青山あ!
ギタリストの腕に
何て事してやがんだよ!」
「すまん …腕に痕があったから」
「ちょっと風邪気味で
注射一本、打って貰っただけだ 」
ジョンは
ソファから起き上がった
俺に気が付いて、席を引き
真木は、俺の姿に驚いて引いた
「… な、何でオマエが居るんだ?! 」
「―― アズは…どうした? 」
…席に着いても食事に手を付けず、
笑っていても、真木の体を心配し
それが一番聞きたいのに聞けずにいる
青山の気持ちを代弁して、
俺が代わりに言った
―― もちろん、俺自身が聞きたい事も
たったその一つだけだ
しかし真木は
そんな俺の台詞を意に関せず
「 おい!今何時だ?! 」と
テレビの横に置かれた
古いラジオを弄り出す
アンテナを伸ばした


