広大な公園の奥に進むと
まるでヨーロッパか何処かの森の中な
緑に囲まれた石造りのアーチと
向かいには
二段の皿から水が流れ出す噴水
てっぺんには、青銅の天使像が立っている
入口近くとは違って
母親達はベンチに座って、
本を読んだり会話をしたり
すぐ傍では子供達が噴水の周りを、
歓声をあげて駆け回っていた
――― 二時間近く歩いたんだろうか
ここに来る迄
地下鉄の駅は見かけたが
入口近くでハッピーに踊る男が居たせいか
青山はそこを無視して通過した
「―― 岡田 休もうか 」
「え、 いや まだ大丈夫だから 」
「 足、あの時折ったろ 」
「……
――― 何で知ってんだよ 」
「 音で 」
「………… 」
「 コーヒー買って来る 」
…ベンチに座った
青山は有人の赤いスタンドに向かい
湯気の立つコーヒーを、
二つ買って歩いて来た
――― いきなり
そこへ子供が駆け出して来て
その長身の膝辺りに思い切りぶつかる
咄嗟にコーヒーをかけない様に
子供を庇って身を翻したが
自分の体にかかってしまった
―― 後ろを歩いていた父親らしき人が
大慌てで走って来て、
オーバーアクションで謝罪している
青山は笑って男に受け答えしながら
地面にコーヒーを置き
その両腕で、
転んでしまった子供の体を抱き上げた
ばらまかれてしまった
プラスチック製の
カラフルなシャベルやスコップ
泣きべそをかいている子供と一緒に
手提げ袋の中に集めている
俺も腰を上げて
足元まで転がって来たボールを拾い
すぐ後ろまで近寄った
――― そして、次に拾おうとしたのは
結び目がほどけてしまって
中から白い
花びらの様な物が散らばってしまった、
少し土に汚れたハンカチの包み ――
しゃがんだまま
泣き止んだ子供の頭を撫で
後ろを振り向いた青山の顔も
それを拾った俺の顔も
――― その中身を見て固まった


