行き交う車の量は
それ程多くない
街の人々は当たり前の様に
横断歩道の無い道を次々と渡る
狭い舗道沿いに停まるのは
観光客を乗せた黄色いタクシーだ
ローマの神殿みたいな
白いメトロポリタン美術館を飾る
薄い色とりどりの幕の下を
観光客が出入りしている
――― 右手の空には、
五番街の、水色がかったビル
" セントラルパーク "
映画の撮影にも良く使われる場所だから
木々と摩天楼に囲まれて
都会にぽっかり空いた、風呂の様な
航空写真を見た事がある
子供の頃は、特撮戦隊物の影響で
セントラルパークは海沿いにあって
自由の女神は、
このど真ん中に立っていると思っていた
確か基地のある上の
自由の女神が半分に割れて
海にロボットの排出される滑走路がある
―― 青山が
突然その主題歌を鼻唄で歌い出し、
俺は吹き出した
「―… 知ってるのか 」
意外そうな顔で、
笑いながらこっちを見る
「 当たり前 流行ってたし 」
「主題歌、
ベースラインがかっこいいんだ
チョッパーが凄くて 」
――― へえ と思う
「…そんなの気にして聞いた事無かったな
―― 俺はどっちかって言うと
『このロボット、
変形するの絶対無理だろ』とか
……実際、買った超合金
テレビでやってた通りになんなかった」
青山は声をあげて笑った
俺も
同じ番組見てたのに、
気にしてた所が違うな と思う
…… それなのに
好きになった女、一緒なんだもんな
公園の横幅はひたすら広くて
園内案内板みたいな立て札を見ると
横が4キロ、縦が800メートルと書いてあった
木々の下には
何処までも続くベンチ
そこには
少し顔を出した日光の暖を取る人々が座り
―― 少し違和感があるとすれば
子供の顔は沢山あるのだが
大人は必ずしっかり、その手を握って居て
独りで駆け出したり、
暴れている姿が無い事
けれど
少し疲れた様な、
今までの道で見かけた顔に比べると
どこか表情が、皆 穏やかだ


