いばら姫





「―…"奴"って

その言い方じゃ、
まるでタカオさんが…!!」


『――… 青山さん、貴方もだよ 』


青山も腕を組み
怪訝な表情で灰谷を見る


『… 本当は
もっと早く、アズに会えた…のに… 』


――― 青山は灰谷に近付き
組んで居た腕を解いた

手の平が上がって、
一瞬殴るのかと思った

けれど

腕は灰谷の脇に廻され、
その中に白い包帯が沈んだ



「    灰谷!!!? 」



俺は叫んで、
青山が支えているのと逆側に回る

――― 熱い ……


「…平気だ
検査済みで、奇跡的に骨折も無いし
頭にも異常は無い

――― こいつは自由にさせないと
次に何するか判らないから 」



様子を見ていたのか
顔にパックをしている『ボス』が
驚いた顔で
窓の向こうから身を乗り出す

続けてジョンもやって来た



「…梅川さんに
拘束して貰えば良かったのに 」

「 知ってるのか? 」

「…… ちょっとね 」

「― そうしたかったんだけど
頭が心配だったからな 」


「…… ああ そうか 」


「それに梅川さん、学会か何かで
今月出かけるって話してたから」


「 オカダ!! アオヤマ!!
ママの部屋へ運んでヨ!
今、ドクターを連れて来るからネ! 」



ジョンは大急ぎで階段を上がり

青山は灰谷を負ぶって、
心配そうにこちらに手を振る
『ボス』の開くドアへと向かった