いばら姫




―― 青山は
ダウンのポケットに両手を入れたまま
手摺りから乗り出して叫ぶ俺を
驚いた顔で振り向いた



――― 『 一緒に行く 』

そう言おうとして言葉に詰まる


…俺は流暢に英語が話せる訳でも
この街を詳しく知っている訳でも無い



「 …今日はもう寝るよ
煙草吸いに出ようとしてた 」


ポケットから
見慣れたパッケージを掲げて見せ
こっちの思いを見透かした様に
青山は柔らかく笑う